投稿者 – ひより様
私が保育園に通ってた頃の、まだ小さかった頃の出来事です――。
いつだったか夜中にふと起きてしまい、なんとなく家の中をウロウロと歩いた時がありました。その時に、暗い廊下の先にボンヤリと誰かがいる様に見えたんです。
一体誰なんだろうと目を凝らしてみて見てみると、それは人ではなく、赤い着物を着たオカッパ頭の日本人形で、玄関先にポツンと立っていたんです――。
その事が大人になるまで頭の中に残っていて、ずっと気になっていました。なのでこの前、ふとしたきっかけで母に話してみたんです。すると母は――。
「そういえば私の実家に、そんな日本人形があったわね……」
生まれてから今までずっとこの家で暮らしてきて、そんな人形を見たのはその時の一度きりなんです。