壁ドン木魚

不思議話 アイキャッチ
投稿者 – ひより様

 以前親戚の葬儀に出席した時に、不思議な体験をした事があります――。

 亡くなったのは私の伯父の奥さんの母親で、私にとってあまり関わり合いのない人でした。なので読経の時に座る位置は後ろの方で、私の目の前に父、右隣に母が座っていました。

 お坊さんがお経を読み上げながら木魚を叩きだすと――。

「ドン……ドン……ドン……ドン……」

 それに合わせるかのように、私の真後ろの壁を叩く音が聞こえ始めたんです。その音は、思わず――。

「うるせぇよ!」

 と突っ込みたくなるような大きな音でした。

 読経中ということもあり、振り向いて何なのかを確かめる事もできず、その時はそのままやり過ごしていました――。

 その後、葬儀の終わりにさっきの壁ドンの事を母に話してみました。するとやはり、母も同じ音を聞いていたようでした。結構大きな音だったので、他にも聞いた人がいないかをさらに探してみたのです。しかし私と母の二人以外、誰もそんな音は聞いていないと言われてしまったのです。

 あの壁ドン木魚、一体誰が何の目的で叩いていたのでしょうか。気味が悪いです。

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